人工孵化させたイトウ稚魚の放流活動
2022/01/06

オビラメの会は、尻別川で釣り上げたイトウの飼育を1997年から開始し、2003年に初めて人工ふ化に成功。現在は、ニセコ町と協働で建設した「有島ポンド」で、尻別川オリジナル遺伝子を引き継ぐイトウの親魚、約40尾を飼育しています。
「デカ」と名づけた尻別川生まれの雌から初めての採卵に成功して以来、今年5月までの18シーズンで、合わせて9万5000粒の人工採卵と人工授精に成功しました。そうして人工ふ化させた稚魚を尻別川に戻す再導入を始めたのは、2004年9月からです。最初に選んだリリースサイトは、尻別川中流域、倶登山川水系の小さな川です。
絶滅危機種であれ普通種であれ、魚の放流はさまざまなリスクをともないます。国際自然保護連合のガイドラインなどに従い、すべての放流魚に目印をつけ、追跡調査を続けながら、少しずつ実験を進めました。2018年までのリリース個体数は8991尾です。
オビラメの会の尻別川産イトウ人工孵化稚魚放流実績(尻別川中流域)
放流日 | 放流場所 | 放流魚の親 | 人工授精日 | 放流数 | 齢 | 標識 |
---|---|---|---|---|---|---|
2004/09/25 | 倶登山川水系 | デカ、チビ | 2004/05/07 | 1,789 | 17 | ADF |
2005/06/25 | 74 | |||||
1,000 | ADF、RPF | |||||
500 | ADF、LPF | |||||
100 | ||||||
2005/10/12 | 非公表 | 476 | RPF | |||
2007/09/24 | 倶登山川水系 | ノリカ、チビ | 2007/05/20 | 1,000 | 14 | ADF、LPF |
2008/06/21 | 1,223 | ADF | ||||
40 | ||||||
2011/07/02 | ササキサン、チビ | 2010/05/16 | 223 | 11 | ADF、RPF | |
2014/05/23 | デカ・チビのこども | 2012/05/20 | 66 | 9 | ADF、LPF | |
2015/10/23 | デカ・チビ・ノリカのこども | 760 | 6 | ADF | ||
2015/11/07 | 第2カシュンベツ川 | 700 | ||||
2018/10/14 | 倶登山川水系 | 2018/05/12 | 520 | 3 | ADF | |
第2カシュンベツ川 | 520 | |||||
合計 | 8,991 |
※齢は2022/01/06現在。標識はカットしたヒレの部位。記号はRPF(右腹びれ)、LPF(左腹びれ)、ADF(あぶらびれ)。
放流リポートなど
イトウ保護連絡協議会2008リレーフォーラムChapter2「尻別川のイトウ保護政策を考える」&エクスカーション「イトウ稚魚放流会」のご案内